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世界陸上2017ロンドン 男子4×100mリレー 日本銅メダル獲得
https://live-sports.yahoo.co.jp/live/sports/athletic_wc/8035

サニ・ブラウン・ハキーム選手 ケンブリッジ飛鳥選手、さらには昨年のリオ五輪銀メダルメンバー 山縣亮太選手がいない中、どう挑むのかと思われた男子4×100mリレー決勝。
決勝の1走は、関西学生の雄でスタートダッシュには定評がある多田修平選手、2走はリオ五輪銀メダルメンバーで、コーナリングの走りがメダルを呼んだともいわれる
飯塚翔太選手、3走はこちらもリオ五輪銀メダルメンバーで、今回の世界陸上個人種目の出場を逃していた桐生祥秀選手、そしてアンカーはリレーのスペシャリストとも呼ばれていた、ベテランの藤光謙司選手。

昨年のリオ五輪、そして今回の世界陸上の予選のメンバーから考えると見劣りをしてしまうだろう。しかし、決勝で3着に入り、銅メダルを獲得できた大きな要因の一つは、やっぱり「バトンパス」だ。

この大会に至るまで、個人の走力でアメリカやジャマイカに劣る分、バトンパスに練習を費やしてきた。おそらくどこの国の選手よりも練習を積んできたのは言うまでもない。

そして、もう一つ答えがあるように思える。

いつも、市川うららFM「マンティー・チダのSPORTS VIBRATION)」のスポーツメンタルコーナーで出演を頂いている、㈱アイディアヒューマンサポートサービス スポーツメンタルトレーナーの田中さんからこんなことを聞いたことがある。

「今、やるべきことに思考を持たせられるかが大事なんです。」

先程からも記載している通り、決勝に出場したメンバーは予選よりタイム的には見劣りをしてしまう。アメリカ、ジャマイカと持ちタイムで考えても、さらに差が広がっている。

しかし、結果として銅メダルを獲得した。ジャマイカのウサイン・ボルト選手にアクシデントがあったという運も味方につけたのもある。

決勝のリレーに出場した4選手は、ここで負けて結果が残せなかったらどうしよう。予選よりもタイムが悪くなるから厳しいかな。ということはきっと考えなかったのではないだろうか。
決勝のレースで、自分たちが、それぞれの持ち場でいかにやり切れるか!ということに思考を持たせたからこそ、今回の銅メダルは獲得できたのではないかと私は思う。

その背景に、コーチ陣の決断も大きかった。まずは
「アンカーの交代」だ。本調子でなかったケンブリッジ飛鳥選手から、ベテランの藤光謙司選手にスイッチを決断した。もう一つは、第二走者以降の「走り出すタイミング」だ。3走の桐生選手、アンカーの藤光選手は前走者側に距離を広げた。飯塚選手は1走の多田選手に靴1足分広げた距離を伝え、多田選手に最後まで思いっきり走らせることを仕向けた。

「アンカーの交代」、「走り出すタイミング」まさにこれも、決勝のスタートに立つ状況下において、その時にやるべきことに思考を向けさせた作戦でもある。

こうしてその時々にやるべきことに思考向けた結果、予選の時にタイムで上位だったフランスや中国がタイムを下げたのとは対照的に 予選時よりも
0秒17短縮し、銅メダルを獲得することができた。

もちろん個々の力が向上したこともあるが、結果を出すために、この瞬間なにをするべきかを選手・コーチが一体となって考え出した結果の銅メダルであったことは間違いないようだ。