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私は、千葉県中小企業家同友会に加入している。昨年の今頃に加入し、ちょうど一年を迎えた。

今年からは社員教育を考える「共育委員会」に所属。月1回の委員会開催、そして新入社員フォローアップ研修に運営委員として参画をした。

先日、千葉県下では年に1回の行事「第43回千葉県経営研究集会」が開催された。
この日は13時からの分科会から始まり、全体会、基調講演、そして懇親交流会と長時間にわたる開催となった。

私は同友会に加入して初めての参加で「共育委員会」に所属しているということもあり、分科会でグループ長を担当しグループ討論の進行を担当した。初参加で環境もよくわからない中での大役は身に染みるものがあった。

なぜ「共育委員会」に所属しているのか?から話をしないといけない。今年の初めに新規入会者向けの「同友会を知る」という行事があり、どんなものか参加したことがきっかけだった。そこで社員教育について考える場があると聞いて、興味があって委員会に所属することに決めた。現在もそうだが、当時はfmうらやす(現在の市川うららFM)「はーもにーぷれいす」で学研教室の先生方に取材をし、現在の子どもたちを取り巻く現状を肌で感じていたことから、人間教育の大事さを知った時期でもあった。子どもたちが現在の環境の中で成長し、大人になれば当然労働をしないといけない。彼らがそのような年ごろを迎えた時、どんな考えで社会人としてのスタートを切るのだろうかという不安もあった。

中小企業の経営者が、社員教育について真剣に考えがある場所があるというのもびっくりした。私も取材を重ねていたので、その経験を活かしながら経営者とガチで話をしてみたいというのもあったので、現在も所属をしている。

話を元に戻してみよう。経営検討集会では最初に分科会が開催された。経営指針、社員教育、人材採用、障がい者雇用、青年部活動、女性のためのライフワークバランス、地域貢献、経営数値分析、ロマンとビジョンと経営理念の計9つの分科会があった。

私は、「共育委員会」に所属しているので、社員教育をテーマとした第二分科会に参加した。しかもグループ長として。

「社員教育で会社が変わる」をテーマとした講演があり、そのあとグループ討論が行われた。

私が入ったグループには、円卓に私を含めて8人が座った。行政書士、機械メンテナンス業、生命保険、マンションなどの施工会社、美容師、税理士、リサイクル業、そしてジャーナリストの私。全員業種も違えば、立場も違った。経営者もいれば責任者の立場もいた。

グループ討論のテーマは「自ら考え・行動する社員を育てるためにはどう行動するか?」だった。
いわゆる自立できる社員をどう育成していくか?である。

私は、討論を進める上で一つ考えがあった。「精一杯考えてもらって発言してもらおう」と。アウトプットすることの大切さを味わってもらうために、あえて難しい質問を投げかけた。

まずは肩慣らしに
①自己紹介とこの分科会に参加した動機
②講演の感想と、自社(自身)が抱えている課題
について、全員それぞれ話をしてもらった。

①については、円卓で緊張感もあったと思うので発声練習も兼ねて。
すこしリラックスした上で、②の質問に答えてもらった。
②の中で質問した、自社(自身)の課題についてこんな答えが返ってきた。
「接客が出来て技術的なことを知っている社員がいない」
「人間関係で退職することが多くなった」
「若い人とうまく接することができない」
「アウトプットすることにトライしたが続かなかった」
というような答えが返ってきた。ここまでを考えると、「コミュニケーション」で問題を抱えているということが傾向として分かった。

ここまでの展開を受けて、次の質問をどうしようかと考えていた。もちろん出てきた課題を深く掘り下げるという選択肢もあったし、討論前はその考えが強かった。しかし、課題が出てきて自分の中で違和感を覚え始めた。「ちょっと欲張りではないか?」と。

「共育委員会」の打ち合わせの中で分科会のテーマを決めたわけだが、その時には特に気にもしなかった。それが、円卓でグループ長として討論を進行しているうちに何か変だなと感じた。

厳しい書き方かもしれないが、発言の内容はすべて自分以外の相手に向けられている。つまり、自分自身はどうかという発言がなかったのだ。

だから次の質問は、単刀直入に「③自立できる社員とはどんな社員?」にした。
私が質問を投げかけた直後、円卓を囲んでいた方は全員頭を抱えた。
しかし、私は順番に指名しとにかく発言を促した。すると、
「リーダーシップがとれる人材」
「お互いに尊敬できる」
「お客様に支えられている人材」
「お客様の事を考えて行動出来てほしい人材」
という答えが返ってきた一方で
「でも独立をされてしまうのでは?」
と、独立を見据えられる怖さを発言する人もいた。

他にも討論の中で「若手社員は指示を受けたことはしっかりできるが、それ以外に相手に有益だと思われることはしない」という発言も。

その時私は「自立と独立は紙一重なんだ」という気付きをした。そして「若手社員はインプットした事以外は動かない」という発言が気になった。

だからあえて最後の質問として、「④次の世代にどう伝えていきたいか?」とした。
これは、現在進行形を考えることも重要だが、今後も含め未来に向けての考えを発言してほしいという意図だ。

すると、先程の③の質問以後よりも、参加者はさらに難しい顔をしながら頭も抱えた。険しさも増した。このリアクションで私はピンときた。「次のことなんか考えていないな?」と。私も決して人の事は言えない。他人にはあらゆることを望んでいても、自分自身はどうするのかというプランがほとんどないということだ。

実際、そのあと全員に発言をしてもらったが、「わからない」「ない」という回答が多かった。
それ以外では、「誰でも発言できる環境を作るためにつなげたい」
「普通の会社にしたい。これまでは人を育てる時間がなかったので」
「結論を先延ばしにしてしまっているので、改善したい」だった。
もちろん「アウトプットできる環境を早急に整えたい」というような前向きな回答もあった。

改めて振り返ってみて、このグループ討論の中で違和感を覚えたのは、経営者・責任者は、社員に対し「自分で考えて行動できる社員」と望んでおきながら、自分自身はどうするのかというプランが見えてこなかったことだ。「自分自身が本当は自立できる人物」にならないといけないことなのに。

昨今の雇用状況で考えると、大企業は人件費の費用削減の一環として、人材のアウトソーシング化を進めている。実務でも作業については、社員ではなく外部から派遣された派遣社員、請負社員が行っているのが実情だ。しかも、年々派遣社員に対する負荷が大きくなっている。入社時には、研修を設けていないところが数多くあるようだ。それでいて、派遣社員には正社員と同じような実力と業務運営を求める。雇用期間は3か月毎、半年毎が多いが、社員程保証されたものではない。これも他人に対する「欲張り」の一種かもしれない。中小企業においても、人件費削減という波がもうあるのかもしれない。もしかしたら、社員に「自立できる」ことを求めているのも、人件費削減の一環なのかと勘繰ってしまう。

今後も、千葉県中小企業家同友会「共育委員会」に関わって、社員教育の実情を考えていくつもりだ。ただ考えるだけではなく、行動に移していきたい。もちろん将来の日本を背負っていく子どもたちの未来を考えるところの一つとしてもしていきたい。子どもを取り巻く環境は、20年前とは全然違う。将来社会に巣立っていく子どもたちに対し、これまでと同じアプローチではいけないと感じる。私たちが子供時代、裏山や公園で走り回っていた。18時には家に帰っていた。そして、家族と食事をして21時には布団の中に入っていた。

しかし、現在の子どもたちは、放課後が終わると学童に行き、4年生以上は学童の変わりに塾に行っているのが実情だ。さらにメディアにおいて、かつてはテレビ・ラジオが全盛だった。ラジオを楽しむ為にはがきを良く送っていた。電話も家庭にあった固定電話しかなく、友達に連絡をするにしても、だれかを介して友達を呼んでもらっていたという緊張感があった。でも現在は、スマートフォンが主流となり、子どもたちはそれぞれ携帯電話を持つ。通信手段も電話だけではなく、メール、LINEなど容易に連絡をすることができる。コミュニケーションを容易に取れるようになったが、礼儀の部分が抜けてしまいおろそかになっている。動画も容易に見ることができたり、わからないことがあったら、どうしてかなと考える前に、検索で調べるとすぐわかる時代になった。これだけでも時代背景が違う。

時代背景が違うのに、経営者は自身を取り巻く環境にとらわれすぎて、感覚も自分たちが過去に経験したもののみで下の世代と接しているのが実情だ。だからこそ、企業の経営者には今の子どもたちを取り巻く環境に敏感に反応し、本来あるべき姿に戻すためにはどうするべきかを考えてほしい。私も、メディアを通じてあるべき論を常に追求する。

あと余談だが、来年からはもう少し時間も短い方が良いかもしれない。分科会と基調講演は分けた方が良いかも。不要なセレモニーは時間の無駄だから削除かなと。経営者は時間との勝負なのに無駄な要素ををいれるのもどうかと・・・。